フロイドローズのメリットとデメリット

 

フロイドローズは、いわゆる固定式ビブラートユニットの元祖的な存在であり、フェンダー社のシンクロナイズド・トレモロ・ユニットを原型としているために、ストラトキャスターなどに後付けされるケースが多いようです。

 

このフロイドローズの特徴は、弦をナット部とブリッジ部において固定し、チューニングが狂う原因となる弦の摩擦をこの部分においてほぼ根絶していることです。

 

例えば、フェンダー社のシンクロナイズド・トレモロ・ユニットの場合は、ユニット揺動の支点が6本の木ねじになっているために、支点の位置が正確に定まらず、支点部分での摩擦抵抗も大きくなってしまいます。

 

しかし、フロイドローズの支点は左右に2本のみであり、しかも鋭角に成型されているために、支点の位置のズレや摩擦抵抗がほぼゼロとなっているわけなのです。その結果としてチューニングがほとんど狂わず、アームの操作感も軽くなっています。

 

また、シンクロナイズド・トレモロ・ユニットよりも、さらに音程の可変幅が大きいのも特徴です。このフロイドローズは、チューニングの狂いというものをほとんど解消することが出来たわけなのですが、その一方で、ナットとブリッジの材質や構造が元のギターとは別のものに変わってしまい、そのギター本来のサウンドが失われてしまうというデメリットがあります。

 

また、弦を張り替えてチューニングを行なう場合も、従来のものと比べてかなり面倒であるというデメリットもあります。